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第6回栃木CT研究会

文責 栃木県立がんセンター 大野 秀幸

2011年5月21日(土)宇都宮市のホテルニューイタヤにて、第6回栃木CT研究会が開催されました。今回は3月に発生した東日本大震災を考慮し、開催を延期してはどうかとの声も聞かれましたが、研究会を元気よく前向きに実施することで、すこしでも被災された方々の復興につながればとの想いで開催することとなりました。

研究会では、フレッシャーズコースを設け基本的なところから復習しようとういことで、CT検査における撮影条件と画質の関係について、丁寧に解説していただきました。管電流によるSDの変化、管電圧によるコントラスト並びにSDの変化等の理解に大変役立ったと思います。

富田先生の特別講演では、CT画像再構成原理について、わかりやすく画像や動画を交えて解説していただき、今まで重要と知りながらも敬遠してきた方にも興味がわく内容だったのではないかと思います。

また、特別企画として震災により大きな被害を受けた大田原赤十字病院と、計画停電の影響を受けた済生会宇都宮病院から、震災当時の状況と対応について説明して頂きました。実際に当時の写真を見ながら話を聞いて、改めて震災の怖さと影響の大きさを感じました。そして、医療従事者として自分たちがどうすべきだったか、どうして行くべきかを考えさせられました。茨城県と岩手県から参加いただいた方からのコメントも頂き県外の状況も知ることができました。

次に、各機器メーカーから最近の話題である「逐次近似を応用した画像再構成の可能性!」というテーマで講演をいただきました。各社とも工夫を凝らして逐次近似法に力を入れているのがわかる内容でした。画像再構成に逐次近似法を応用することで、被ばく線量を30%~80%程度減らすことが可能とのことでした。また、もっとも驚いたのは、完全な逐次近似法による再構成が実現すれば、再構成関数は必要なくなり、被ばく線量を1mSv以下することも可能とのことでした。

最後に、この栃木CT研究会も第6回目となりましたが、100名を超える多数の方に参加していただき大変うれしく思っています。震災の影響や原発の問題でいろいろ不安を抱えている方がたくさんいると思いますが、こんなとき元気を出して皆様と一緒に日本を、栃木県を盛り上げて行ければと思います。

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