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第14回栃木CT情報交換会

文責 那須赤十字病院 大木 敦史

平成28年11月12日(土) 宇都宮記念病院にて第14回栃木CT情報交換会が開催されました。
昨年から世話人として参加いただいています宇都宮記念病院様の御厚意により、新設された別棟にて行われました。宇都宮記念病院は宇都宮駅から近く、市内の一等地に立地し、また駐車場も完備されていて、大変参加しやすい環境にあったと思います。

はじめに第一三共(株)より、造影剤の製品紹介と造影剤を使用する際の注意点などの説明がありました。近年ヨード系造影剤で話題となっているビグアナイト系糖尿病薬のことにも触れ、腎機能が悪い患者や糖尿病薬を使用している患者などへの対応の説明などもありました。
「透析患者に対してはどうすべきか?」などの質問も多数あり、議論や答弁が活発に行われました。

県内施設報告会では、テーマを「当院でのCTCの現状」と題しまして、3施設からの発表がありました。まず、宇都宮記念病院の三品さんから発表がありました。検診に力を入れている病院だけあり、検診におけるCTCにも積極的に取り組んでいるようでした。前処置では、患者さんの苦痛がなるべく少なくなるよう、下剤の量を適正化し、患者さんにやさしい検査に取り組んでいました。次に那須赤十字病院の鈴木さんからの報告発表がありました。CTCのみとCTC+内視鏡の患者さんで前処置を分けて対応していて、画像処理ではVGPの他に『キューブビュー』といった画像処理の工夫をしていました。最後に済生会宇都宮病院の小島さんから発表がありました。前の2施設とは運用が違い、CTCは内視鏡後のみにしか行わず、術前マッピングだけの症例に特化したCTC運用となっていました。CTAを併用して動脈・門脈の走行の評価を行い、CTCで拡張した腸管のVRとfusionさせることにより、大腸の走行、腫瘍の位置、腫瘍の栄養血管の同定を行っていました。とても見やすいfusionのVRの症例の提示がありました。
CTCはまだ発展途上の検査であり、どの施設でもまだ症例が少なく、試行錯誤で検査を行っているような状況の中です。そのため施設間で運用や前処置、画像処理に違いが大きいことがわかりました。今回の発表でそれぞれの施設の情報を互いに共有でき、今後のCTC検査の発展に貢献できることを期待したいです。情報交換の場としては大変有意義な時間になったのではないかと思います。

特別講演では、モニターの管理についてEIZO株式会社から、PACSについて東芝メディカルシステムズ株式会社から講演をいただきました。
まず、モニターの管理の講演では、モニターの輝度や寿命のこと、精度管理のことについてのお話しがありました。モニター診断が主流になってきていますが、なかなかモニターについて知る機会が少なかったので、大変ありがたかったです。テストパターンを使った日常点検のやり方を実際にやってみせてもらえたので、明日からでも自施設でやってみようと思った方もいたはずです。
次にPACSについての講演が東芝メディカルシステムズ株式会社から講演がありました。
日頃、何気なく使っているPACSの保管・管理・閲覧についてのお話しでした。画像データ保存の安全性・真生性がPACSにとって最も重要であることや、システムの柔軟性、拡張性も大切であることを学べました。また、停電時でもUPSで安全に落とせる機構や、RAIDシステムによりデータのバックアップを行っていることなど、PACSについての基礎を再認識できる内容でした。また、最近話題では、クラウドを利用したサービスのお話しがありました。データを保管する場所を数か所に分けることにより、大規模災害などで丸ごと1施設がシステムダウンしたときでも、他の施設のサーバーにデータをバックアップしてさえいれば、データが復元できるということでした。進歩が進み、利便性はどんどん増していきますが、災害時の対応やセキュリティの問題などを考え、自施設にあったものを選択していかなければならないと感じました。

今回の情報交換会も86名と、大盛況に終えることができました。これからも皆様が気軽に参加できる会を作っていくとともに、充実したCTの話題を提供できるよう努力していきたいと思います。
最後になりますが、会場を提供して下さいました宇都宮記念病院の皆様、発表してくださいました先生方に改めて深く感謝申し上げます。

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