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第16回栃木CT情報交換会

文責  中室 智之

 今回は、休みの谷間にもかかわらず、向上心旺盛なCTユーザー80名が、済生会宇都宮病院の南館2階みやのわホールに集合しました。会場のみやのわホールは、出来たばかりのホールで重厚な雰囲気が漂うコンサートホールのような装いで私達を出迎えてくれました。

 まずは、企業2社から情報提供がありました。始めに第一三共株式会社会社様より、「造影剤に関する最新の知見」としてヨード造影剤の“ガイドラインが改定”されたその改定内容の解説及び紹介がありました。続きまして、メドトロニック様より、植込みデバイスのCT撮像について脊髄刺激療法・深部刺激療法の使用機器、治療メカニズム、撮影時の注意事項が紹介されました。

 続いて、本日の情報交換会の主要な内容である県内施設の有益な情報報告が、10演題ありました。内訳は、症例に対する撮影条件及び方法の工夫に関する内容が3演題。画像再構成に関する内容が2演題。画質評価に関する内容が5演題でした。

 症例に関する演題内容は、各施設の日常業務が垣間見える内容となっておりました。診断に役立つVR画像を作成するために、元画像を最適な撮影方法の工夫やROIの数を2つにするなど、少しの手間が診断能の向上や患者の負担が少なくなることが改めて理解できました。続いて、画像再構成に関する内容は、バージョンアップに伴い、概ね検査時間の短縮が可能になったが、“ある条件下ではあまり変わらない”という思いもよらない報告に驚きました。また、“どの関数が、細かい血管を一番描出できるか?”といった報告内容は、同じ装置を使用しているユーザーにとって非常に有益な情報であったと思います。最後に、画質評価に関する内容が5演題と多くありましたが、その中でも臨床画像から画像評価をする手法が紹介されました。CTの画像評価は、ファントム実験でおこなう。その実験結果を臨床に当てはめるが思ったような結果にならないという報告が多くありますが、臨床上の画質傾向をつかむだけであれば、この方法が簡便に求めることが出来き、かつ臨床と実験が乖離しないといった有益な報告がありました。その他の施設報告は、日常遭遇する事例に対してファントムを使用しての検討報告がなされました。どの報告もファントムの作成やどういったファントム実験が有効なのか苦労の跡が見られる報告でした。

 最後になりますが、演題集め・CT情報交換会の進行プログラムの作成された当番世話人の国際医療福祉大学病院世話人、会場の準備と手配を行っていただいた済生会宇都宮病院の世話人には、大変にお世話になりました。そして、当日の司会進行を行っていただいた栃木県保険衛生事業団の世話人、受付業務並びに情報提供を行っていただいた第一三共株式会社さま、日本メドトロニック株式会社さまには、大変お世話になりました。そして何よりも日頃の忙しい中から研究内容を探し出し、施設報告としてまとめていただき、発表をして頂いた各施設の方々に改めて深く感謝を申し上げます。今後も栃木CT研究会は、皆様からの施設報告をお待ちしております。これからも皆様と一緒に栃木CT研究会を盛り上げていきたいと思います。是非ともお気軽に参加ください。今後とも何卒よろしくお願いいたします。

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