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第15回栃木CT情報交換会

文責 宇都宮記念病院 三品祐樹

平成29年11月25日(土)とちぎメディカルセンターしもつが 2階講堂にて、第15回
栃木CT情報交換会を開催しました。

今回のテーマは『線量低減への工夫』(低電圧、造影剤減量を目指して)です。
放射線技師として、第一に考えなくてはならない【被ばく】近年ではネットやニュースでも取り上げられている問題です。この職に就いた以上は最後まで付いてくるテーマですね。

今回は発表演題も多く、県内施設報告会では7演題の発表がありました。
那須赤十字病院からは、「逐次近似応用再構成法の画質評価」、宇都宮記念病院からは「血管形態評価を併せた脳CT-PerfusionにおけるIR法の有用性」、芳賀赤十字病院からは「腹部CTAにおける逐次近似の最適化」、済生会宇都宮病院からは「固定具から考える線量低減」、獨協医科大学病院からは「逐次近似応用再構成法を用いた小児検査」、足利赤十字病院からは「低管電圧を用いた冠動脈CTの検討」、栃木県立がんセンターからは「逐次近似応用再構成はどのくらい被ばく低減可能か?胸部編」と、どれも勉強になり考えさせられるものでした。

逐次近似、また逐次近似応用再構成法はノイズ低減や線量低下を目的に多くの病院で取り入れられており、その有効性は明らかなものです。また、低電圧撮影を組み合わせることで、造影剤の使用量も減らすことができます。しかしCTの性能だけを頼りに被ばくを低減するのではなく、放射線技師として基本に立ち返り、固定やポジショニングこそが重要であり、再撮影をしない事も被ばく低減の一つだと再確認することができました。

その後、根本杏林堂様より「AdBW」の説明がありました。
Adjustment Body Weight Protocol(AdBW)は従来の速度固定の注入プロトコルから近年、再現性や適正化という観点より体重を考慮したプロトコルを使用しても高体重での造影剤過多、低体重での造影剤不足への補正が必要である。AdBWは体重から体表面積を算出し造影剤量を決定してくれるもので当院でも是非検討していきたいものでした。

最後は2班に分かれ施設見学をさせて頂きました。新しく綺麗であったのはもちろんのことエントランスは広く開放感があり、2階部分にはテーブルとイスも並べられておりまるでホテルのようでした。造影前の採血室も広く、CTから一般撮影室へと導線が引かれており様々な点で使いやすさを考えた作りになっていると感じました。また、屋上ヘリポートなど、広範囲地域の拠点病院を担っていることを感じました。
最後に、発表をしていただいた各施設の先生方、また会場準備をしていただいたとちぎメディカルセンターしもつが関係者の皆様本当にありがとうございました。

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