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第13回栃木CT情報交換会

文責 栃木県保健衛生事業団 斎藤 正利

2014年11月28日(土)獨協医科大学病院にて、第13回栃木CT情報交換会が行われました。

昨年度新設された、教育医療棟6階にあるシミュレーション講義室で行われ、前面プロジェクターの他に講義室中程に設置された大型モニターによりスライドの見やすい講義室でした。

はじめに、第一三共(株)より、造影剤を使用する際の注意点として、ビグアナイト系糖尿病用薬(メトホルミン塩酸塩など)との併用により、乳酸アシドーシスが現れることがあるため、投与する場合、ビグアナイト系糖尿病用薬の投与を一時的に中止するなど適切な処置が必要と説明がありました。
また、丸紅情報システムズ(株)より、いま話題の『3Dプリンター』について「医療モデルの用途、その現状と将来の理想。医用画像を基にした製作モデルの活用」と題し、医用3Dプリンターにより現在できること及び今後の可能性について講演をいただきました。実際に作成された臓器モデルの展示もあり、形状・質感も再現され精度の高いモデルでした。今後の展開が期待されます。

県内施設報告会では、5施設6演題の発表があり、技師の永遠のテーマである『高画質・被曝低減』についての発表がありました。


獨協医科大学病院からは、メーカー装置間の画質と線量の差をなくすための過程の報告と再構成関数のCT-AECに与える影響について発表があり、メーカー間での画質の統一の難しさを感じました。済生会宇都宮病院からはメーカーではあまり推奨していない頭部CT撮影におけるCT-AECの応答特性の検討により、15%程度被曝低減の可能性があることが発表されました。足利赤十字病院からは、低電圧撮影の可能性として、被曝の低減、及び高コントラストによる造影剤の減少が期待されることが発表されました。那須赤十字病院からは、ⅰMARの使用経験を含めたアーティファクト対策について発表がありました。県立がんセンターからは、画像診断ガイドライン2013ではMRI推奨とされている頭部領域において、CT検査でわかること・わからないこと、また、頭部CT検査の被曝線量について発表がありました。

日頃行われているCT検査において、撮影条件やポジショニングの検討により、更なる被曝低減及び画質の改善が図れると感じました。どの報告においてもフロアーからの質問・意見が多数寄せられ、有意義な情報交換の場になったと思われます。

最後は2班に分かれ、施設見学会と大腸CT検査前処置について伏見製薬(株)の発表がありました。教育医療棟1階のMRI室を見学しました。待合は落ち着いた雰囲気で、更衣室も広く、患者さまはゆったり検査が受けられる空間になっています。また、徹底したリスクマネージメントが施され、ストレッチャー、車いすなどMR用に色分けされ、入室時には金属探知ゲートによる確認がされています。装置は最新のMRIが5台設置され、開放的で利便性の整った操作室でした。同時に行われた伏見製薬(株)によるCTC検査の前処置についての発表では、「日本一おいしい、大腸CT用検査食:FG-two☆」の説明がありました。試供品の配布がありました。
今回で13回を迎えました。回ごとに参加者も増し、今回は90名弱の参加をいただきました。この栃木CT情報交換会が、県内施設におけるCT検査の情報交換の場として機能し始めた感じがします。これからもたくさんの参加をお待ちしております。言うまでもありませんが、情報交換会後の懇親会も多数参加いただき大いに盛り上がりました。

最後になりますが、会場準備や施設見学まで段取りをしてくださいました獨協医科大学病院の皆様、発表していただいた各施設の先生方に改めて深く感謝申し上げます。

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