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第14回栃木CT研究会

文責 黒澤孝史

令和元年5月18日栃木県立がんセンターにて「Finding Potential!CT検診の実力」をテーマに、第14回栃木CT研究会が開催されました。

まず始めに、第一三共株式会社様より情報提供「造影剤の適正使用」として、造影剤リスクマネジメントの説明がありました。造影剤副作用の低減を目的としたステロイド前投薬に関してやACRマニュアルに基づくプロトコル等の解説がありました。

特別講演I「大腸CTの裏の裏?基礎から実践まで?」では、山形県立中央病院 今野 雅彦先生より、大腸CT検査の基礎知識や現状についての講演をしていただきました。検査を行う上で特に前処置が重要で、タギングを中心に考えていくということを理解しました。また、今後大腸CTの検査数をさらに伸ばしていくために、検診センターの理解が必要で、その中でも保健師がキーマンであり、精密検査の選択肢に大腸CTが加わることが望ましいと話されていました。

基調講演「肺がんCT検診の現状と今後について」では、栃木県立がんセンター 萩原 芳広先生より、がん検診の有効性評価についての解説や、肺がんCT検診の低線量撮影の定義、撮影条件の設定についての講演をしていただきました。現状、肺がんCT検診が死亡率減少に寄与しているといった論文やエビデンスが不十分ではあるが、いずれその有効性が認められるであろうと示唆されていました。また、シーメンス社製CTに搭載されるTin Filter技術といった話がありました。


情報提供「最先端画像処理技術 胸部CT肺血管透過処理のご紹介」では東陽テクニカ メディカルシステム部 大平 直隆様より、『ClearRead CT-VS』についての紹介と臨床画像を提示していただきました。肺のAxial断面で肺血管を透過させることで結節影のみを描出するもので、読影の補助という役割を担うものであると理解しました。

特別講演II「呼吸器領域における超高精細CTの臨床応用」では、大原綜合病院画像診断センター 村松 駿先生より、画像を提示していただきながら胸部CT検査における高精細CTの臨床応用について講演していただきました。SHRモードで撮影することによって従来より高精細でCOPDなどの解析が高精度に行えるとのことでした。また、高精細になることで、息ブレや心拍動が顕著に出るため、所見が見つかった場合には心電同期で4cmの範囲をボリュームスキャンすることで心拍動によるブレを低減しているとのことでした。

最後になりますが、今回も県内外から多数の方々にご参加いただきまして大変感謝しております。また、ご講演いただいた先生方、情報提供を行っていただいた第一三共株式会社様、東陽テクニカ様に深く感謝申し上げます。今後もCT研究会が盛り上がっていくよう努めてまいります。

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